講義科目
学部講義科目
・ゲーム理論入門(1年次)-数学を用いない、やさしいゲーム理論入門
ゲーム理論は経済学や政治学などの社会科学において近年多用されている重要な分析手法である。そこで、重要なことは「相手の存在」と「合理性」に対する
考慮である。個人の合理的な意志決定を研究する際、相手も自分と同じように合理的であると仮定し、そのとき、双方の意志決定の結果、どのような状況が生じ
るかを分析するのがゲーム理論の特徴である。
本講義では、各回ごと、現実の問題に関連する経済的テーマを定め、その問題をゲーム理論の手法を用
いて解き明かしていくことにより講義をすすめていく。経済的テーマのみならず、政治的なテーマも加える予定である。パワーポイントなどのプレゼンテーショ
ンツールやコースナビを積極的に利用し、わかりやすい講義にしたいと考えている。なお、この講義では数学の知識を前提にしない。また、講義においても、ほ
とんど数学を使わない予定である。
・ゲーム理論(2年次)- ゲーム理論の確実な知識の修得:講義と演習
ゲーム理論は情報の経済学、産業組織論、国際経済学、環境経済学、実験経済学など多くの経済学の分野、さらに最近では政治学、社会学、生物学、そして人工
知能などの分野でも用いられる重要な理論的分析方法である。ゲーム理論が従来の手法と大きく異なる点は、相手が存在し相手も合理的な行動をとるということ
を前提に、個人の合理的な行動を研究することである。与えられた制度やルールの下で個人の合理性を厳密に定義することからはじめ、集団の合理性とは何かを
考察し、これらの合理性の下でどのような帰結が生ずるかを研究する学問である。
本講義では、平易な内容から始め、基本的な内容を中心とし、その
応用もできるだけ紹介したい。近年のゲーム理論の発展は著しく、内容は多岐にわたっているが、それらすべての内容を紹介することよりも、基本的事項の確実
な理解を重視したいと考えている。なお、最近の実験経済学の成果も取り入れて講義内容を拡充している。コースナビを活用してインタラクティブな講義を目指
している。
厳密な議論を展開するので、そのための基本的な数学的知識を必要とする。解析学(基礎)や経済数学入門などの基礎数学科目を受講済みであることが望ましい。また、ゲーム理論入門を受講済みであると講義の理解を助ける。(必ず受講済みである必要は無い)
大学院講義科目
・ゲーム理論Ⅱ
本講義ではゲーム理論の発展的内容を扱う。非協力ゲームの内容を中心に講義し、証明の詳細まで丁寧に講義、演習していく。なお、ほぼ毎回課題を課す計画である。
受講者には基礎的な数学の知識が要求される。数学の知識の少ない者は学部の講義や独習等により、知識の補完が必要となる。なお、ゲーム理論の初学者は、学部講義「ゲーム理論」 あるいは大学院の「ゲーム理論Ⅰ」の講義の並行受講が理解を助けるであろう。
・協力ゲーム理論
本講義では協力ゲーム理論の発展的内容を扱う。協力ゲームの内容を中心に講義し、証明の詳細まで丁寧に講義、演習していく。
協力ゲームの内容は多岐にわたるため、できるだけ先端的なテーマを選び、選択的に講義、演習を行う。
受講者には基礎的な数学の知識が要求される。数学の知識の少ない者は学部の講義や独習等により、知識の補完が必要となる。なお、ゲーム理論の初学者は、学
部講義「ゲーム理論」 あるいは大学院の「ゲーム理論Ⅰ」の講義の先行受講が理解を助けるであろう。テキストの輪読と講義を並行して行う。
テキスト
船木由喜彦『はじめて学ぶゲーム理論』新世社(2014年)
船木由喜彦『ゲーム理論講義』新世社(2012年)
中山幹夫・船木由喜彦・武藤滋夫『協力ゲーム論』勁草書房,2008年
船木由喜彦『演習ゲーム理論』新世社(2004年)
中山幹夫・武藤滋夫・船木由喜彦編著『ゲーム理論で解く』有斐閣ブックス(2000年)
船木由喜彦・武藤滋夫・中山幹夫編著『ゲーム理論アプリケーションブック』東洋経済新報社(2013年)
武藤滋夫『ゲーム理論入門』日経文庫(2001年)
梶井厚志『戦略的思考の技術』中公新書(2002年)
鈴木光男『新ゲーム論』勁草書房(1994年)
岡田 章『ゲーム理論新版』有斐閣(2011年)